音楽会と鈴の音(小学生男子 番外編)

今日は音楽会でした。

ゆうたろうは、とても賢くて利発な子です。
記憶力もいいし、理解力もあるし、話していて私がびっくりするような斬新な発想をすることもある。

けれど、彼は、頭で考えたことをアウトプットするのが、苦手みたい。読むことはできるけど、書くことが苦手。今、具体的に、何が苦手なのか専門的な検査を受けています。

彼が、いわゆるグレーゾーン(学習障害の疑い)ではないかと、担任の先生から話があったのは、ちょうど1年前。家族で話し合いながら、上手にゆうたろうの得意なことを伸ばす方法を考えてきました。
そのあたりの詳しいお話は、またいつか。

とにかく、頭でわかっていても、手が動かない。
最初はね、できないことがあっても、誰でも努力して練習すればできるようになると、私も、ゆうたろうも信じていたのです。

でも、どんなに努力しても、できない。
さぼってるわけでも、怠けてるわけでもなくて、どうしても、できない。

知能は普通だし、感受性も強いから、出来ない自分が、どんどん嫌いになってイライラする。
苦手が苦痛になっていきます。

シンタロウさんも私も隣家の祖父母も、そして妹のすみれも、学校から話がある前から、ずっとずっと変わらず、ゆうたろうの個性を愛し尊重してきたけれど、
学校の友達のなかには、ゆうたろうが少し違うことを理解できない子だっています。

ゆうたろうの個性を馬鹿にする子もいれば、黙ってそばにいてくれる子もいます。
いろんな子がいていいと思うのです。

ただ、、、ゆうたろうは、学校ではいつも笑っているけれど、傷ついて、家では時々涙を流しています。
時々、学校を休んで家にいるのは、その気持ちをリセットするため。(そういう時は、家族の誰かが、ゆうたろうと一緒にいれるように、それぞれの仕事を調整します。)



音楽会の練習。
合奏するリコーダーが、どうしても、みんなと合わせて吹けるようになりませんでした。

頑張って練習しても、うまくならない。思うように指が動かなくて焦ってしまう。
朝練習してもだめ。
だから、おかあさんは工夫してみました。
楽譜から、音を抜いて、♪ではなく、単純な図にして、拍を数字で書いて。

私の休みの日には、学校を休んで、一緒に練習もしました。
何度も何度も繰り返して、半日、休憩しながらも、ずっと。
そして、伴奏に私が弾くピアノを、ゆっくりから、すこしずつ、すこしずつ、みんなと同じテンポにしていきました。
やっと、なんとかできるようになったかな。

でも、やっぱり、次の日になると、なぜかできなくなってしまって。
もちろん友達と合わせることもできない。
練習しても、練習しても。
ゆうたろうは、こんなに頑張ってるのに。

昨日、出張帰りの電車のなかで、担任の先生から電話がありました。
「急ではあるのですが、ゆうたろうさんにはリコーダーではなくて、鈴をやってもらうことになりました。」

担任の先生も、ゆうたろうがリコーダー吹けるように、吹いて自信を持ってもらえるようにと指導してくれてきたのを知っています。配慮していただいたお礼を言いました。
そして、急いで家に帰り、ゆうたろうを迎えにいきました。
明らかに機嫌の悪いゆうたろう。

「鈴やることになったの?」

「鈴だって上手にできないんだよ。それで、みんなに迷惑がかかるんだ。だから、オレ、音楽会行きたくない。」

話すうちに、涙を流しはじめた、ゆうたろうを膝にのせて、たくさん話をしました。

で、私は言いました。

おかあさんは、ゆうたろうが頑張っているのをよく知っています。
学校がイヤなのに、うんと頑張って行っているのも知ってます。
おかあさんにとっては、ゆうたろうが、リコーダーとか、鈴とか、できるとかできないとかは、関係ないんです。
舞台に頑張って、立ってるのを見たいのです。そこにいるだけで、頑張ってるんだなーと思うから、
だから、とにかく、明日はみんなと一緒に立ってきてください。

みたいなこと。
(あまりに心が壊れてしまいそうなら、学校へ毎日行かなくたって構わないけど、全く行かなくなってはいけないと思うのです。どんなに辛くても、やっぱり人と関わりを絶ってしまってはいけないと思うから。‥‥というのが、今のわたしのスタンス)


そして、今朝。
ゆうたろうは、朝ご飯を食べて、いつも通りに学校へ行きました。

合奏の時間が始まりました。
申し訳なさそうに、肩を落としながら、鈴を持って舞台に立つゆうたろう。
隣には、ゆうたろうより、少しだけ身長の高い友達の男の子が、大太鼓を演奏するため、太鼓のバチを持って立っていました。

先生が指揮をはじめる寸前、太鼓の男の子がゆうたろうに、何やら声をかけました。
そして、鈴をふりはじめる、ゆうたろう。
演奏の途中も、太鼓をたたきながら、時々、太鼓の男の子がゆうたろうに合図をします。
合図にあわせて、鈴を止めたり、再び鳴らしたり。

優しい友達の助けを借りて、ゆうたろうは、最後まで鈴を鳴らすことができました。
鈴の音が、体育館に響くのが嬉しくて、うっかり泣きそうになっちゃった。

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***

この話をすると、ありがたいことにファンの多い小学生男子シリーズの、あっけらかんとした楽しさが減ってしまうかなとも思ったけど。
そろそろ少しずつからす川通信でも、そんな話を書いていく頃かなーと思ったのでした。

でも、自由で面白くてネタ満載の楽しい男子ってのは、今までもこれからも、ずっと変わりません。
それが、うちの自慢の息子、ゆうたろう。
これからも我が家の小学生男子をよろしくお願いします♪
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by sayaka_ozawa | 2012-10-26 21:05 | 家族のこと


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