ろくろ屋

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水曜日。久々に、ふたりで一緒に車に乗って出勤。
仕事の前に、ろくろ屋へ行ってみよう、とシンタロウさん。

ろくろ屋さん?
きけば、ろくろを使って木を削りだして作る木工の伝統工芸。松本城の裏側に、工房兼お店があったはずだ、と。

シンタロウさんは会ったことはないけれど、遠い遠い親戚なのだとか。

ちょうど、近くを通りかかったので、ろくろで作っているところを見せてもらえたらいいね、なんて。

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カラカラカラ、、、ごめんください、と引き戸をあけると、棚には美しいろくろ細工が。
そして、優しそうなおばあちゃんが奥から出てきました。

残念ながら、6代目で松本最後のろくろ職人だったというおじいちゃんは、3年前に他界されてしまったそうです。跡を継ぐ人はいないのですって。

それでも、おばあちゃんは、とっても嬉しそうに、おじいちゃんの作ったろくろ細工を見せてくれました。

どれも、つやつやで、美しい形。不思議な木目。

黒檀なんかを彫るときは、体中、削り粉で真っ黒になって、おじいちゃんは鼻の穴まで真っ黒でね、お洗濯だって大変で、と微笑みながら話すおばあちゃんは、穏やかながら、時にまるで少女のような表情。ろくろ細工という仕事に誇りを持って、打ち込んでいたおじいちゃんのことを、おばあちゃんは大好きで、その仕事をずっと支えていたのだな、、と、感じました。
もの作りをする夫をもつ私にも、重なるところがたくさんあって、きゅん、、、。

おじいちゃんが、ろくろ細工をするところを見ることはできなくて、残念だったけれど、来てよかった。
「作ったもの見てくれて、きっと、おじいちゃん喜んでるわ。来てくれてありがとう。」と帰り際に、おばあちゃんも頭を下げながら言ってくれて。
私とシンタロウさんも、ありがとうございました、とゆっくり頭を下げてから、静かに引き戸を閉めたのでした。
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by SAYAKA_OZAWA | 2011-06-15 21:52 | 松本安曇野のお店


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