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悲しい朝 その後

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カリフォルニアにすんでいたころ。
2年間お世話になったホストファミリーの家から、大学に通いやすい場所で一人暮らしをはじめることにしました。
いつも賑やかだったホストファミリーから離れ、ひとりで家にいるのがなんだか寂しく感じました。

大学から近くなってとても便利になったし、遅い時間に大学の友達とごはんを食べにいったり、パーティーやクラブ、そんな場所に遊びに行くのも楽しかったけれど、家に帰ったときに、ぽつんとひとりで家にいるのが嫌だったのです。
そこで、猫を飼うことに決めて、シェルター、、日本でいう保健所のようなところへ子猫を探しにいきました。

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小さいころ「黒猫ジェニーのおはなし」という本が大好きで、以来ずっと黒い子猫を飼いたかったのです。

(昔、猫を飼いたいと母に話したら、アメリカンショートヘアの子猫をプレゼントしてくれて、その子もすごくかわいかったけれど、黒猫がよかったな、、とほんのちょっとだけ思ったのでした。
その猫は留学が決まったときに、浜松の実家で飼ってもらうことになりました。その猫の話はまたいつか。)


シェルターには、猫たちがそれぞれコインロッカーのような檻に入れられていました。
入れられた檻の横の通路を進んでいくと、とん、と小さく肩にあたるものが。
ちょうど私の肩のあたりの檻に入れられた一匹の猫が檻の隙間から手を出して、私の肩を触ってきていたのです。
爪もたてずに、ただ、トンと。振り返ると、子猫というには、ちょっと大きすぎる黒猫が、こちらをじっと見ていました。

でも、私は、もっと小さい子猫をひきとって育てたかったのです。
なので、ほかのシェルターを見に行く事にしました。

翌週末。フリーウェイを走り、いくつかまわったシェルターのなかに、まさに私の理想通りの小さな黒い子猫がいました。
抱っこさせてもらって、とてもかわいくて、小さくて。愛らしさに、きゅんとしました。
けれど、やっぱり肩をたたいてきた、あの黒猫が私を呼んでいるような気がしたのです。

さらに次の週末。最初のシェルターへ戻ると、その肩を叩いてきた黒猫は、まだ同じ場所にいました。
もう迷いはなく、シェルターで手続きなどをすませたあと、黒猫を連れて家に帰りました。

名前はルノ。写真はカリフォルニアにいるときに住んでいた部屋のベランダで撮ったときのものです。
いつも、家に帰ると玄関で待っていてくれました。とても賢くて、いつもほどよい距離感でそばにいて私の毎日を見ていてくれました。泣いて帰っても、酔っぱらってご機嫌で帰っても、なんだか、ぜんぶわかってるよ、みたいな顔をして。
だからかな、いつのまにか「ルノ」とか「ルノちゃん」からルノさんと呼ぶことが多くなった気がします。

アメリカから帰国するときも連れて帰りましたが、お店をはじめる時にペットの買えないマンションに引っ越す事になり、シンタロウさんの実家(今の家の隣のじじばばの家)で飼ってもらう事になりました。

じじが「くろべえ」と呼ぶので、いつのまにか、ルノさんは「くろべえ」と呼ばれてかわいがられ、私が遊びに行くとすぐに寄ってきてなでてもらうのを待っていました。

家を建て、隣に暮らすことになりましたが、じじがとてもくろべえを可愛がっていたのと、ゆうたろうが喘息があるので、そのまま、じじばばの家の猫となりました。
いつでも好きなときに隣に行けばルノさん(くろべえ)に会える!と嬉しく思っていたのですが、引っ越した3ヶ月後、ルノさん(くろべえ)は天寿を全うして死んでしまいました。


その時、ゆうたろうは6歳、すみれは4歳でした。
からす川通信をたどったら、私は、その日もらったコメントへの返事としてこう書いていました。

「今日、子供とお墓を作ったよ。
すみれは、まだわからないながらも、猫をなでて歌をうたってあげてた。ゆうたろうは、一生懸命穴を掘るのを手伝ってくれて、土をかぶせたあと「じゃあな、バイバイ。」って、こっそり言ってたのが聞こえた。
悲しいけど、子供たちなりに命について考える機会にもなったかな、と思うんだ。」

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今日、すみれと一緒に、古いお絵描き帳を整理していたら、こんな絵が出てきました。
まだ4歳だったころの絵だと思います。
この一枚を私が手をとめて眺めていたのを、すみれが見て言いました。

「あ、くろべえだ。すみ、くろべえ知ってるよ。じじの家にいたでしょ。で、死んじゃった。」
「覚えてるんだ!」
「おかあさんだって、くろべえのこと好きだったでしょ。知ってるよ。じゃ、すみがくろべえをよみがえらせてあげる、ちょっと待ってて。」
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そして、この絵をプレゼントしてくれました。
「ほら、前よりずっと上手にかけるようになったでしょ。」
と、得意げな顔をして。

ほんとだ、よみがえった!
私の宝物の絵がまた一枚増えました。

悲しい朝→☆
2009年3月21日のからす川通信

大切な友人「てか」(→☆)のくれた言葉。
忘れなければ生き続ける…。本当にそのとおりだ。

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黒猫ジェニーのおはなし
日本語の本はずっと絶版になっていたのですが、今調べてみたら、最近になって復刻版が販売されているみたい!
すみれさんに買ってあげよう。(というか、自分のため?笑)


そうそう、黒猫で思い出した。
「猫が行方不明」というフランス映画も好きです。こちらもおすすめ。
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by sayaka_ozawa | 2013-09-09 12:11 | 家族のこと | Comments(0)


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